25話 #nahive2qgpj02j4i

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近ごろ結婚した知人が勤務先のネットワークに侵入して、結婚パーティーを開くのでみなさんぜひご参加ください、とログに残して去る。システムを書きかえて、性別に男女以外の値を設定できるようにしましたので。社内ネットワークに侵入されたのだからこれはセキュリティインシデントだろうと隣の男が言う。こいつは中学か高校のときの同級生で一言も話した覚えがないのだが苗字が珍しいので覚えていて、というか目が覚めてから誰だっけあいつ……とひとしきり考えてから思い出せたんだった。仮名をもって丁木と呼ぼう。その丁木の指図で調査をさせられることになりGmailをブラウザで開くと横からそこじゃないだろう、と言われるが無視する。大学で研究者をしている友人からメールが来ていてこのアンケートに回答してくれと依頼されている。この男も最近結婚したのだった。 家で雑魚寝をしていると窓から中年の物腰柔らかな男が現れてこれでは困るのですが、と言う、つまりこの狭い部屋に何人もが寝泊まりしていること、また、観葉植物の飾られていることなどである。言われてみればすでに深夜の二時半で近隣に迷惑がかかったのかもしれなかった。ただし外はまだ明るかった。 夢のお告げによればこの丁木も結婚したに違いないが調べる手段がないのだった。