25話 #nahive2qgpj02j4i

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結婚する夢を見た……。一戸建ての二階部分の間仕切りを取りはらったような空間にぞろぞろと顔を出し、それぞれが結婚式をあげるのだ。先に上がって見ていると階段からはウェディングドレスを着た友人の彼女や高校の同級生(男)、小学校の同級生が列になって上ってくる。その空間は真っ白な壁に囲まれほぼ長方形をなしていて、階段があるぶん抉れたかたちになっている。奥の方は一段上がってバーになっていて、そこで式をあげるらしい。スツールに腰かけて同じような客となごやかに言葉を交わす。みな知りあいで、健康診断を受けるようにここに来たのだ。神父がおれの顔の前に糸を荒く編んだコウモリのモチーフを掲げて何か言っているが英語で聞きとれない。皆が見守るなか、はじめに儀式を行うのは小太りの若い白人女性で、始まる前はふてくされたような態度でいたのだが、儀式が進み、バーカウンターの中で歌いだしてみると、「涙が……」とかいう歌詞のところでぼろぼろと涙をこぼしはじめ、慌てた母親がペットボトルの水をがぶがぶと飲ませていた。おれはそれを見ながら、自分の相手を待っている。