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私、見たんです!
男が寄り集まっているので、何事をしているのかと思ってみれば、ボケて(bokete)のネタ画像を一々取り上げては、「これって何が面白いんだろうね」「さあ、分からないな」と言い合っているのである。各々、面白いなどと言い出せば刺されかねないとでも思っていそうな空気だ。
私は呆れてしまった。
呆れて、ものも云えなかった。
私の笑いのセンスは、文化レベルは、あんな一般大衆と違い、あなたたちと同じですよ。だから仲間ですよね 。だってほら、こんなもの、踏みつけてやりますよ——目にしていたのは、そんなおずおずとした取り入りの儀式だ。子供じゃあるまいし、何でいい年をした人間が、こんな風にしてグルーミングをする必要がある? 私たちの憧れていた、ハイソな生活ってこれなのか?
「私はワナビーだから」と予防線を張れば終わり、という問題でもない。俗物になるまいとする俗物になるまいとする私であった(一句)。