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25話 #nahive2qgpj02j4i

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緑色に着込んだ学校の暴政者のフィッツジェラルドのおふれは、ある任天堂のゲームを不法にプレイすることができるSDカードを持っているものはリンチにかけるということ、今日の夕方に集会を開きそのときに所持品を検査すること、それに出席しなかったものも有罪とみなす、ということだった。例に漏れずおれもSDカードを持っていたが、ロッカーだろうとポケットの中だろうと学校の中にある限り、フィッツジェラルドの目を逃れることはできない。仲間のひとりの少年は昼休みのあいだに安全なところへ移動してしまったらしいと聞いて、おれもあわてて体育館に並べられた端末から仮想の夜の世界にアクセスして、パートナーである女性ボットのドレスのポケットにSDカードがあることを確認し、これをドラッグすればよいと考えたが現実世界ではフィッツジェラルドの目が二階からこちらを見ていたので、うかつには動けなかった。次の10分休みに仲間たちの隠れ家へ行くことにした、確信はなかったがここのロッカーに隠しておけば大丈夫だろうと考えたからだ。そもそも昼休みにもそうしようと思っていたのだがあまり緊急に考えていなくてその時はおろそかにしてしまっていた。昔教えられたのだがその隠れ家へはある男子トイレの個室から便器に飛びこむことでたどり着けるのである。しかしいつもなら使う人などほとんどいないそのトイレに今日はなぜだか客が大勢いて、問題を起こしていた。知りあいのひとりがトイレから出てくると通りかかった三人組の中学生がその髪型を笑い、結局その保護者か担任が飛んできて謝らせるので時間を取られた。ようやくトイレが空いて入ろうとすると見知らぬ風体の男たちが周囲にいてトイレの(入口の)ドアを閉めさせまいとするし個室も矢鱈と開放的な作りになっていて周囲の視線にさらされ警戒されているふう。どのみちこの休み時間が終われば集会であるから選択肢もなくおれは便器に飛びこんだ。

目がさめてから夢うつつに、フィッツジェラルドは便器のつながる先をシンプルに下水にしたのではなかったか……と思った。