橋本幸士『超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義』
超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義 (KS科学一般書)
- 作者: 橋本幸士
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (6件) を見る
よくなかった。超ひも理論についての簡単な解説を試みる本であり、そういう点では用をなしていると思う。重力やクーロン力の強さが逆二乗則にしたがうことから空間を3次元だとする観察や、光子が開いたひもに、重力子が閉じたひもに対応するという説明は興味深かった。
しかし聞き手の女子高生がいやに物わかりよくて、ほとんどすべての父親の説明を素直に聞くので対話というより二人で解説しているみたいである。こんなありさまでは、子供に解説するという形式をとったことに首をかしげざるをえない。現代物理学の素養がある高校生がとても従順な聞き手である、というのは説明する側にとってとても都合よいけれど、それじゃなんだか自己満足めいて読めてしまうんだよな。なにより参考文献がないのが致命的だと思う。