25話 #nahive2qgpj02j4i

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みんなで何かのイベントに行くのだという。バスに乗り遅れはしまいかと心配し、行き先も知らず言われるままについて行くいつもの夢。旅館に荷物を置いたらすぐにコンサート会場へと出発させられる。本来の目的はこのコンサートではないので、おれのいない間に大事なことが終わってはいないかと心配する。板張りの教室のような部屋に少しだけ高さのあるステージが作られて、イベントの前夜祭めいた催しが開かれている。おれが着いたときには、男が六七人の男女をバックコーラスにしたがえ、歌っていた。それを見ていた他の男が、おれもそれをやるつもりだった、という趣旨のことをステージ上の男に話しかけていた。知り合いがいたので準備はできたかい、と聞くとパソコンの画面を見せてくれた。フローチャートを観客にたどらせて、何かを占ってみせるらしい。実際に舞台に立って彼が実演してみせると、画面の3Dエフェクトにおかしなところがあったらしくそれを指摘する野次めいた声があがった。こういう線は消しづらいんだよね、とおれは隣の客に解説してやっていた。 文化祭で開かれた教室内の喫茶店の裏側に陣取って、あくせくと回る店内を眺めている。ハイカラ風の女給の格好をしているのはおれの隣に座っている男の恋人である。その彼女がキッチンに戻ってきて(といっても薄いベニヤでおざなりに目隠しされただけのスペースである)伝票を渡しながら、「3番の人、デートしてあげてもいいかも」と言った。彼らが何かを守るためにそういうことをしなければならないのらしかったが、それにしても客を選び、それだけの価値があるということになっている自身のことをまったく鼻にかける様子のない彼女のその言い方に感動した。