閻連科『愉楽』
- 作者: 閻連科,谷川毅
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: 単行本
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受活じゃあ! 忘れられた片輪たちの村の住人がその絶技でもって権力に抗う、そんなストーリーを想像していたがぜんぜん違ったね! むしろ権力に利用される彼らであり、利害の一致はあって協力関係と言ったほうが良いか。若き時分、村に「革命」をもたらし、同時に災いも呼び込んだ過去をもう老女と、村の障害者たちを使ってサーカス団を結成し金をかせぎ、レーニンの遺体を買って県の活性化をもくろむ県長とが中心的な人物だが、老女の孫の小人の女とか、村の一本足の男とか、さまざまな人物がそれぞれの思惑をもって生きている。
とはいえそれぞれの駆け引きとか伏線のようなものがあるわけじゃなく、誰が先頭に立って起こしたのかも定かでないこの物語の濁流に、誰も彼もただただ呑み込まれ流されていくだけなのだった。
げにマジックリアリズムと不可分に存在する政治的な眼差しであった。180ページからの絶技団の大騒ぎの人気っぷりの描写が気にいったのであとで写す。
途中の感想: http://25.hatenadiary.com/entry/2016/06/17/090309
そしてカタルシスはあったのか? どうだろう、わかんねえなあ。